2025年3月22日から、国内のすべての店舗で一時休業をしている、大手脱毛サロンの「ミュゼプラチナム」。
当初の発表では4月21日から営業再開としていましたが、その後「どこでもミュゼ」というスタイルでお手入れの再開をおこない既存の店舗の再開は6月をめどに……と不透明な状況となっています。
そして5月15日、ミュゼプラチナムの一部従業員がついに破産申し立てをおこなう方針を固めたとのニュースがありました。
運営会社ではなく従業員が破産を申し立てるとどうなるの?
結局のところ、ミュゼはなくなるの?
このようにいろいろな疑問をかかえている人も多いでしょう。
この記事では、債権者(ミュゼスタッフ)による破産申し立ての概要をはじめ、その背景にある事情や今後の展開についてくわしく解説しています。
ミュゼの今後が心配な人や、これから脱毛をはじめようと思っている人は、ぜひ最後まで読み進めてください。
※料金は税込みで表記しています。
※キャンペーンは予告なく変更する場合があります。
※当サイトの記事には一部アフィリエイト広告を使用しています。
ミュゼプラチナム従業員による破産申し立て
はじめに、5月15日に各メディアで報道された従業員による破産申し立ての内容について紹介します。
一部の従業員が会社の破産申し立てを決定
まずは、5月15日の早朝に配信された、NHKのWEBニュースを引用して紹介します。
脱毛サロンの業界大手「ミュゼプラチナム」の一部の従業員らが、ことし3月までの数か月分の給与が支払われず、「運営会社には多額の債務が存在し、支払い不能の状態にある」などとして、会社の破産手続き開始の申し立てを東京地方裁判所に行う方針を固めたことが、代理人の弁護士への取材で分かりました。
引用:NHK WEBニュース
給与が支払われていない従業員の数は約2300人とのことですが、破産申し立てにかかわっている一部の従業員が何人いるのかは明らかになっていません。
しかし、有志の少人数で裁判所に申し立てをおこなうことは考えづらく、給与未払いで迷惑をこうむっている従業員の相当数が破産申し立てに踏み切る決断をしたものと考えられます。
未払いの給与はおよそ15億円
ミュゼプラチナムを運営する「MPH」によると、未払い分の給与はおよそ15億円にのぼるとのこと。
約2300人に対して、1月から4月までの未払い分ということなので、単純計算して1人あたりおよそ65万2,000円になります。
役職や勤務日数などの差はありますが、1ヶ月の給与に換算すると約16万3,000円です。
この収入が全額0円になると考えると、会社に対して破産申し立てをおこなう気持ちになるのも仕方がないかもしれません。
運営会社の見解
運営会社のMPHは、NHKの取材に対して以下のようにコメントしています。
今月末から一部の支払いを開始し、年内にはすべて完了する見込み
(中略)
真摯に受け止めて再生に向けてまい進して参ります引用:NHK WEBニュース(前掲)
もともと、国内優良企業からの資金支援を受けての運営体制再構築のために休業に入ったミュゼプラチナム。
従業員への給与支払いや再就職支援を並行しているとのことなので、ようやく給与の支払いが再開されるのかもしれません。
しかし、運営会社はあくまで「一部の支払いを開始」としているため、2300人の従業員全員が、未払い分の給与の全額をいつ手にできるのかは不透明なままです。
債権者による破産申し立てとは
経営者ではなく雇用されている従業員がおこなう「債権者による破産申し立て」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。3つに分けてくわしく解説します。
資産流出をふせぐのが目的
債権者による破産申し立ては、経営陣の資産流出をふせぐのが最大の目的です。
今回の場合の債権者は、支払われるべき給与を受け取っていないミュゼプラチナムの従業員。
経営者側がおこなう通常の破産申し立てと内容の大きな違いはなく、手続きや事後処理がすべて完了したあとに残った資産があれば債権者全員に平等に分配するという流れになります。
そのため、従業員側が破産申し立てをおこなったからといって、未払い分の給与を全額受け取れるとは限りません。
しかし、経営者が破産申し立てをおこなう場合、悪質なケースではありますが手続き前に資産を別会社にプールしておくなどの隠し行為をする時間的な猶予はあります。
債権者による破産申し立てとは、このような資産流出を前もってふせぐことができます。
破産手続きの可否は裁判所が判断
債権者が破産申し立てをおこなった場合、実際に破産手続きに入るかどうかは裁判所の判断となります。
今回、申し立てを受けることになる東京地方裁判所は、申立人であるミュゼ従業員と債務者であるミュゼ運営会社の双方から聞き取りをおこない、未払い分の給与を実際に支払えるかどうかなどを確認します。
破産手続きを開始するかの判断は、すべての調査がおこなわれたあとになるでしょう。
今後のミュゼプラチナムはどうなる?
今後、ミュゼプラチナムはどうなっていくのでしょうか。可能性と現在の状況をまとめました。
破産の可能性はゼロではない
結論からいうと、ミュゼプラチナムが破産する可能性はゼロではありません。
今回の申し立てを受けて東京地方裁判所が、運営会社が全従業員に未払い分の給与を支払える状態にないと判断した場合、破産手続きを開始することになります。
破産手続きに入った後は、選ばれた破産管財人がすべての状況を仕切ることになり、最終的に優先度の高い順から残った資産を分配していきます。
現在は「どこでもミュゼ」を全国に展開中
現在、ミュゼプラチナムは直営店舗を休業していますが、業務委託という形で全国に「どこでもミュゼ」を展開しています。
これはミュゼの運営会社であるMPHとは別法人によるものなので、もし今後MPHが破産しても「どこでもミュゼ」がなくなるわけではありません。
どこでもミュゼの加盟店(ミュゼの脱毛マシンや脱毛メニューを引き継いでお手入れをおこなうエステサロン)は、5月12日時点で全国に112店舗。
もともとの契約コースによりますが、どこでもミュゼ加盟店では、追加料金なしで置き換えコースの施術を受けることが可能です。
ミュゼの顧客と従業員を支援するサービスも
4月3日時点の情報によると、ミュゼプラチナムでは従業員の再就職支援に向けて複数の企業とパートナーシップ体制を結ぶべく、準備を進めています。
その他、お手入れを受けられなくなった顧客および職場を変えたい従業員に向けての独自サービスを始めた脱毛サロンもあります。
おもな例は、以下のとおりです。
RinRin(リンリン)…全身脱毛1回や部分脱毛3回を2,000円OFFで提供/エステ経験者を積極採用(幹部候補もあり)
LACOCO(ラココ)…最大3回分の全身脱毛を提供
ミュゼプラチナム運営会社の動向によっては、今後多くの脱毛サロンや医療脱毛クリニックが救済プランを提供してくれるでしょう。
安心安全な脱毛をはじめるためのポイント
ミュゼをやめて脱毛を続けたい人やこれから脱毛を始めたい人へ、安心安全な脱毛のポイントを解説します。
都度払いプランを選ぶ
来店して施術を受けるたびに料金を支払う、都度払い制。
複数回分の総額を前払いしたり、ローンという名の借金をしたりするのが心配な人は、都度払いプランがある脱毛サロンや医療脱毛クリニックを選びましょう。
閉店や破産はもちろんのこと、もし脱毛を続けられなくなった場合にすぐやめられるのも大きなメリットです。
ストラッシュ
出典:ストラッシュPRサイト
ストラッシュは、全国に約60店舗展開している人気のSHR脱毛サロンです。
全身脱毛の都度払いプランは、初回4,400円/2回目以降9,800円となっています。
都度払いプランは2023年10月から続いている人気メニューですが、それ以前にも提供している期間がありました。
その当時は、1回目が約20,000円でリピートするごとに料金が下がっていき最終的に1回9,800円になるというシステムでしたが、現在の都度払いプランの料金詳細は公開していないため、事前に確認が必要です。
ちなみにストラッシュは、2024年に「一般社団法人 日本認定脱毛安全協会」による安全事業者認定を受けており、その点でも安心ポイントが高い脱毛サロンといえるでしょう。
ストラッシュの基本情報
店舗数:全国62店舗
ドクターサポート:あり
返金制度:あり
運営会社:株式会社クリア
ジュノビューティークリニック
出典:ジュノビューティークリニックPRサイト
ジュノビューティークリニックには、継続縛りのない月額プランと1回都度払いプランがあります。
60分or45分の時間制で好きな部位を施術してもらえるプランあり、大手医療脱毛クリニックに比べて自由度が高いところが魅力といえるでしょう。
全身脱毛は顔かVIOがセットで月額19,800円~。1ヶ月に1回ペースでコンスタントに通える人にぴったりのクリニックです。
部分脱毛は完全都度払い制となっており、両ワキ1回4,000円、サイズ別パーツ脱毛が1回9,800円~と料金もリーズナブルです。
ジュノビューティークリニックの基本情報
支院数:12院
診察、テスト照射:無料
返金制度:あり
法人名:一般社団法人AND medical group
ルシアクリニック
出典:ルシアクリニックPRサイト
ルシアクリニックは、全身脱毛・VIO脱毛・顔脱毛・首+えりあし脱毛すべてのプランで1回都度払いを選択できる医療脱毛クリニックです。
回数コースに比べて単価は高くなりますが、全身脱毛には、ヒジ下+ヒザ下+ワキ+背中などムダ毛が目立つ部位だけの安いプランも。
都度払いの場合、顔やVIO付きの全身脱毛の後に、手足メインの全身脱毛に切り替えることもできるので、予算に合わせて自由にプランを組み替えられます。
ルシアクリニックの基本情報
支院数:15院
診察料/テスト照射:無料
返金制度:あり
法人名:医療法人緑風会 ルシアメディカルグループ
脱毛以外のメニューがあるサロンやクリニックを選ぶ
脱毛以外のメニューを展開しているエステサロンや美容クリニックには、収入源が豊富にそろっているという強みがあります。
脱毛が低価格化して身近になった近年に創業した脱毛専門のサロンやクリニックにくらべ、信頼度や安全度は比較的高いといえるでしょう。
脱毛よりも先に、もともと美容系メニュー全般を手掛けていた大手のサロンやクリニックなら、突然の破産の心配をせずに通えるのではないでしょうか。
エステティックTBC
出典:エステティックTBC PRサイト
1975年創業のエステティックTBCは、日本のエステティック業界をリードするトップブランドです。
全国に100店以上ある店舗はすべて直営で、サロン運営以外にもコスメや健康食品の販売をおこなっています。
エステサロンでは珍しく美容電気脱毛方式による「スーパー脱毛」も提供しており、一般的な脱毛サロンの光脱毛に比べ、高い効果に期待することができます。
エステティックTBCの基本情報
店舗数:全国約130店舗
ドクターサポート:あり
返金制度:あり
運営会社:TBCグループ株式会社
湘南美容クリニック
出典:湘南美容クリニックPRサイト
湘南美容クリニックは、全国に200院以上の支院を持つ大手の美容外科クリニックです。
もともと美容整形や痩身などを提供しながら成長し、あとから医療脱毛メニューが加わりました。
全身脱毛は5回51,000円~とリーズナブルで、すべての脱毛プランに1回都度払いコースがあります。
湘南美容クリニックの基本情報
支院数:200院以上
診察料/テスト照射:無料
返金制度:あり
法人名:SBCメディカルグループ
予約がとりづらい=人気店とは限らない
予約がとりづらい脱毛サロンや医療脱毛クリニックは、人気があって予約がすぐ埋まってしまうと考えられがちで、もちろんそれは間違いではありませんが、そうではないケースもあります。
予約がとりづらい背景には、スタッフが不足しているという可能性もあるからです。
スタッフ不足の理由として考えられることは、今回のミュゼのように給与問題で大量離脱が起こってしまったケースや、集客不足からくるノルマの厳しさや売り上げ減少による自主退職勧告などで退職者が続出するケースなどさまざまあります。
大量閉店や統合に注意
多くの店舗を持っている脱毛サロンや医療脱毛クリニックで、大量閉店や統合が起こっているときは注意が必要です。
コスト削減のための店舗閉鎖が起こるということは、利益面にマイナスが出ているということ。
そのまま、脱毛サービス終了に向けて準備を進めていく可能性もゼロではありません。
不安になったら「のりかえ」を検討
現在通っている脱毛サロンや医療脱毛クリニックで、予約のとりづらさや閉鎖などが問題になっているなら、他サロンやクリニックへの「のりかえ」を検討しましょう。
多くの脱毛サロンや医療脱毛クリニックでは、他店から移る際の乗り換え割引などを提供しています。
上記で紹介したような、都度払いができるところや脱毛以外のメニューが豊富な大手の脱毛サロンまたは医療脱毛クリニックを選び、改めて脱毛を始めるほうが安心できるかもしれません。
まとめ
ミュゼプラチナムの一部スタッフが破産申し立てをするというニュースは、ミュゼの今後が「かなりやばい」のではないかと考えさせられますよね。
しかし、実際に破産手続きを開始するかどうかは裁判所次第。
また、全国に広がっている「どこでもミュゼ」を利用することで、お手入れ自体は続けることが可能です。
とはいえ、これ以上ミュゼで脱毛はしたくない、だけど脱毛は続けたいという人もおおいでしょう。
そんな人は、安心安全な脱毛サロンや医療脱毛クリニックを選び、改めて脱毛を再開してみるのはどうでしょうか。